「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」と人生の素晴らしさ

ティム・バートンさんの「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」が中学時代から未だに大好きです。もうずいぶん前に友人が絵本をプレゼントしてくれて今はすっかり息子のお気に入りに。何度も読み聞かせしている名作なのだけども…今日はちょっと新たにふと思うところあったのでメモを。

私が初めて映画を観た当時、物語に感じたのは、切なさでした….。

新しい世界に出会って、そこにチャレンジしたものの自分には根本的に向いてなかった…という挫折。

人間で言うと野球選手になりたくて努力してきたつもりだったけど、全く向いてなかったとかそういう、分かりやすくもどうしようもない単純な絶望と挫折みたいな物語がクッキリと鮮やかに描かれているなと思ったのです。

そしてその現実を受け入れていくこと。

哲学的なテーマだとも改めて思いました。というかそもそも自分の生まれ落ちた世界について疑問を抱くということがかなり哲学的。「ソフィーの世界」(←これも大好き)に通じるような、メタ認知というか宇宙、鑑賞者側の視点から物語が始まってゆくのですね。

でも勿論周囲はそんなことは考えていない。自分たちが生きてる世界に疑問を抱かず当たり前に過ごしてる。なのに主人公のジャックだけが、何故この世界に生まれたのか、何故このような役割を与えられているのか、その繰り返しなのか、人生をもっと切り開く扉は無いのか?と苦悶するんですね。

そして出会った心トキメク新しい世界、そして挑戦と挫折。そんな物語だと思ってました。

 

でも今日さっきふと、主人公のジャックが、そうやって疑問を持ちチャレンジしたことで、そもそも疑問を抱いていなかったハロウィンランドの仲間たちにも新しい世界を見せることになっているんだなと思ったのです。

その意味や価値は、分からないけど、ものすごいことなのでは?とふと初めて思いました。

ジャックが初めてクリスマスランドに辿り着いた時、その世界観の違いに驚きまくって興奮して「What’s this!?」と叫び回るんですが、その純粋な感動と興奮を、最後にハロウィンランドの仲間たちにシェアすることに成功している。(音楽がそのワクワク感を再度思い出させてくれるニクい演出!)

私たち鑑賞者も自分の人生として、また物語として、新しい世界に出会う感動と興奮とその幸福感を知っています。だからこそ、ジャックが日々のマンネリに嫌気がさし、新しい生き甲斐を求めて彷徨った末に見つけた輝く世界への興奮は共感できるのだと思います。そしてそれをまた仲間たちも味わうことが出来た。

ジャックは挫折をして、どうにか己の人生を受け入れ立ち直る。でもそれだけじゃなくて彼の苦悩や、その中での行動で刺激を受けた仲間たちがいて、新しい世界の発見にドキドキワクワクする機会がそこに生まれたこと。

最初はなんだか切ない物語だなと思っていたけど、主人公ジャックがやったことは偉大なことだったのかもしれない。本人も気づいていないけど、行動できるって素敵なことなのではと改めて感じました。失敗しても落ち込んでも、意味が無いことなんて無いんだ!となんだか励まされる気づきでした。そしてそんなジャックがきちんとみんなに愛されてる…う〜むやっぱり、心があったまる素敵な物語です!

ハロウィン終わってのクリスマス前にぜひぜひ。

 

今日車でBGMのCDを聞いていて、ハッと閃いた次第。


映画自体はもう随分長く観てないからDVDでもいい加減買いたいです…..。